電気工事の起点から施工まで!代理人が担う役割とは?

前回記事で和田電気工事でのキャリアは見習い、職人、職長、代理人のお話をしました。

今回は仕事の発生から完成までのストーリーを会話形式で進めていきます。キャリアごとの役割が明確になるので自分ならばどう動くか想像してみるとより具体的にイメージできると思います。


要望発生

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お客様   「おや、会社の蛍光ランプがポツポツ消えてきて暗いなぁ」


      「ランプ買ってくるのにランプの品番をチェックするか」


      「久々にやるけど、あらためて考えると結構危ないな」


      「最近運動不足だし、万が一落ちたら...」


      「よし、数も40台あるから電気工事屋さんに頼もう」


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現地調査

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お客様   「会社の作業場と倉庫の蛍光ランプ交換をお願いできますか?」


代理人   「承知しました。お見積り作成にあたって器具の明るさや台数、設置状況など見させていただいてもよろしいでしょうか」


お客様   「どうぞどうぞ」


代理人   「作業場と倉庫の2部屋に分かれてますね。作業場の照明器具は40Wの蛍光灯2本のものが30台。倉庫の照明器具は40Wの蛍光灯1本のものが10台の計40台」


      「設置高さ5mなのでランプ交換するにしてもちょっと大変ですね」


      「大まかに状況はわかりました。またこれは提案ですが照明器具ごとLEDにされてはいかがでしょうか」


      「ちなみに2027年には蛍光灯の生産ができなくなるので数年後にはLED化工事は必須になると思います」


お客様   「なるほど、それはもったいないかもしれない」


      「ではLEDに交換した場合の見積もいただけますか?」


代理人   「承知しました」


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設計・見積

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代理人   (ランプ交換の場合はの見積からつくるか)


      (作業場の照明は30台あったな。1台でランプ2本だから60本)


      (倉庫の照明は10台、1台でランプ1本だから10本、計70本で材料はこれくらい)


      (作業人数は、高さもあるし3人くらい必要そうかな。これに経費を含めて・・・)


      (次は照明器具ごとLED化した場合の材料か)


      (まずはランプ2本分の照明器具から。明るさ5200ルーメンくらいの照明器具を探そう)


      (パナソニック製と東芝製で比較してみると)


      (同じような性能だけどパナソニック製の方が安いか。今回はパナ製でいこう)


      (ランプ1本分の照明器具は明るさ3000ルーメンの器具。この器具も同じメーカーで見た目を統一した方がいいな)


      (そしたら照明器具30台+10台と、作業員は6人必要かな・・・)


      (じゃぁ最後にこれを足して・・・)


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内容説明

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代理人   「お見積書になります。ランプ交換が18万円、LED化が85万円になります」


お客様   「LED化は結構高いですね」


代理人   「そうですね。ランプ交換に比べると高く感じると思います。LED化工事の常とう句にはなりますが電気代が安くなるのでその安くなった電気代でLED化工事の費用がまかなえるので元がとれます」


お客様   「なるほど、それはどれくらいで元が取れる計算ですか?」


代理人   「今回はランプ交換を自社で行わないのでランプ交換の工事代も含めると、今の電気代ならだいたい7年程度で元が取れると思います」


お客様   「それは交換しない手はないですね」


代理人   「ただ一応注意点として、今回の照明器具の寿命が40,000時間なので約10年で寿命となります。」


お客様   「すると10年ごとに照明工事85万円の費用が必要になるわけですか」


代理人   「理論上そうなりますが・・・」


お客様   「というと?」


代理人   「蛍光灯は寿命がくると点灯しなくなるので明るさゼロになりますが、LEDは新品の状態から徐々に暗くなっていき、当初の85%の明るさになった時を寿命と設定しています。なので明るさに不満がなければそのまま使い続ける選択肢もあります。」


お客様   「85%ですか・・・。15%減が見た目でわかりますかね」


代理人   「おそらく難しいと思います。それに日本照明器具工業会というところが「適正交換時期」を8~10年、「耐用の限度」を15年としていて、照明器具に使われてる部品の絶縁物の絶縁劣化による寿命も含まれてきます。」


お客様   「わかりました。なんにせよ今、LED化しない手はないので発注します。10年後の更新工事は予算を確保できるよう頑張ってみます」


代理人   「ご注文ありがとうございます。材料と人員が準備でき次第工事日のご連絡を致します」


お客様   「おまちしております」

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今回のまとめ


電気工事の受注成功!次のステップは?

これで無事受注できたのでいよいよ工事に向けて動き出すことができます。ここで受注できないと、これまでの準備が無駄になり、赤字を出してしまうため慎重な対応が求められます。


「段取り八分」とは?建設業界で重要な準備の役割

ここまでの登場人物は代理人とお客様のみです。建設業界では「段取り八分(だんどりはちぶ)」という言葉がありますが、これは「仕事は準備が8割、作業は2割」という意味です。準備のほとんどは代理人が担当するため、職長以下の現場作業員の出番はまだありません。


電気工事の営業と設計を兼任するメリットとは?

大手の会社では、受注までの業務を「営業」や「設計」の担当者が行います。しかし、和田電気工事では代理人がこれらの業務を担うため、広い知識が身につき、施工において自由度が高くなります。

営業や設計を別の担当者が行うと、「営業が予算を抑えすぎると施工が難しくなる」「設計ミスが発生すると、追加費用や手間がかかる」といった受注後では手遅れの問題が発生しやすくなります。代理人が最初から関与していることで、施工の仕様を自在に決定できるのが大きなメリットです。


電気工事の事務処理を効率化!専門スタッフの役割とは?

少人数規模の会社では、見積もりや請求書の作成、送付などの煩雑な事務処理も担当しなければなりません。しかし、和田電気工事には事務員がいるため、専門知識が不要な業務を分担でき、代理人は施工に集中できます。


次回予告!電気工事の材料手配と現場作業員の役割

次回は、材料手配から完成まで紹介します。ここで初めて職長以下の現場作業員が登場し、施工の具体的な流れが見えてきます。引き続きお読みいただければ幸いです。