電気工事士のお仕事3 照明編

 前回の記事では、和田電気工事でよく見られる新築工事で電気工事をするときの主な作業についてコンセント工事を紹介しました。今回は、照明工事にスポットをあて、できるだけ専門用語を使わずわかりやすいよう、ある意味誤解を恐れずに、ちょっとだけ詳しく説明します。


照明とは

 照明は皆さんご存じの通り、光を発して明るく照らすものです。照明を点灯させることを「電気をつける」と表現しますね。


一般住宅の照明

 一般住宅に取り付けられる馴染みのある照明といえば、まずシーリングライトです。天井に平べったいお皿が貼り付いたような形で、部屋全体をまんべんなく照らします。

 次にダウンライトがあります。廊下や玄関などに選ばれ、天井に穴を開けて埋め込む形で取り付けます。照明の真下を中心に照らすため、比較的狭い空間に適していますが、広い部屋に取り付ける場合はそれなりの数が必要です。


工場の照明

 工場の場合、天井が高く、空間が広いため、シーリングライトやダウンライトでは明るさが足りません。そこで選ばれるのが「高天井用照明」です。一昔前は電気代が高く、寿命も短い水銀灯が使われていましたが、現在では生産も輸入も禁止されています。

 水銀ランプなどの光を発する部分を光源といいます。昔は白熱灯や蛍光灯、水銀灯が使われていましたが、現在の標準はLEDです。


LED

 2012年頃から徐々に旧光源からLEDにシフトしてきました。過渡期には無極灯というマニアックな蛍光ランプや、残念なLED照明器具(すぐに壊れて点灯しない、チカチカと点滅する照明)が新興メーカーから次々と発売されました。安価な粗悪品も多く出回り、そのせいで当初のLED照明の評判はあまり良くありませんでした。現在ではパナソニックや東芝、三菱といった大手企業がLED照明を製造し、信頼のできるものになっていますので、LED照明がスタンダードとなっています。


高所作業車での作業

 工場の天井の高さは一般的に8~10m程度です。この高さで作業するために高所作業車を使って高天井用照明を設置します。高所作業車での作業は「特別な教育を受けた人」だけができますが、最初はその高さにひるみ、慎重に作業をしますが慣れてくると事故が起きやすくなるため、常に注意が必要です。


特別教育に必要な時間と費用

 特別な教育とは、「高所作業車運転技能講習」といい、和田電気工事で費用を負担し、給料が発生する時間に受講してもらいます。自腹で休日に受けるという話も聞きますが、稼いだお金は自分の好きなことに使い、休日はリフレッシュするために使った方が良いでしょう。

 

照明の取り付け

 照明の話に戻りますが、高天井用照明を天井の鉄骨にぶら下げる形で取り付けるためには、適切な材料の選定が必要です。この選定作業は非常に面白く、現場の鉄骨の形や向きを考慮し、照明器具に最も適した金具を選びます。選んだ金具を加工し、実際に取り付けた時にぴったりとハマると、とても気持ちが良いものです。まるでパズルの最後のピースをはめる時のような感覚です。


電気工事士に向いている人

 このように、コツコツと積み上げていく作業が好きな人は電気工事士に向いています。パズルやプラモデルを楽しめる方、ぜひ電気工事士を目指してみませんか?


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