電気工事士のお仕事10 弱電設備編

 前回の記事では、和田電気工事でよく見られる新築工事で電気工事をするときの主な作業について自動火災報知設備を紹介しました。今回は、弱電設備にスポットをあて、できるだけ専門用語を使わずわかりやすいよう、ある意味誤解を恐れずに、ちょっとだけ詳しく説明します。


弱電設備とは

 弱電設備は48V以下の電圧を電気信号として扱う設備をさすのが本来の使われ方でしたが、現状では通信系に含まれる設備全般をさします。弱電としてわかりやすいのはインターネット用のLANケーブルや、電話、テレビ、インターホンです。しっかり弱電のイメージのある館内放送用のスピーカーも弱電設備として扱いますが、実は100Vが出力されていたりします。また、光ケーブルは電気ではなく、名前の通り光を利用して通信をしますが弱電設備にとして扱っています。


弱電設備の工事

 こういった弱電設備を取り付ける工事は、建設業の中で「電気通信工事業」とされ、「電気工事業」とは区別されます。しかし、工事管理の都合上「電気工事」の一部として取り扱われることが一般的です。電気設備も電気通信工事も作業内容は機器を設置し、機器の間を配線する点は同じで、新築工事の中で作業に入るタイミングもほぼ同じです。

 なので、和田電気工事の弱電工事は配線を電気工事で行い、機器設置、試験などの作業を協力業者にお願いする事も多いです。


弱電工事の特徴と注意点

 弱電工事で使用する電線は電気工事で使うよりも細い電線がおおく、配線するのは軽くて簡単なものが多いです。たくさんの信号を扱う機器にはたくさんの電線が集まったケーブルである、多芯ケーブルを配線します。細い電線は、その分ちぎれやすいので無理やり引っ張るのは厳禁です。また電線が細い分、繋ぐコネクタや機器も穴が小さかったり細かったりと、細かい作業になります。さらに多芯ケーブルは繋ぎ間違えなどのリスクもあります。


仕事以外にも

 また、弱電工事は私生活に活かせる場面もあり、家電量販で1mや2mの長さの決まったケーブルを購入して「届かない!」とか「長すぎてケーブルがあまってぐちゃぐちゃ!」みたいな心配はなくなります。壁からWi-FiルーターまでのLANケーブルや、壁からテレビまでの同軸ケーブルやテレビと録画デッキの間のケーブルを自分の部屋の長さにあったピッタリのケーブルが作れます。

 テレビ回りは映像信号線や音声信号線に加えて、コンセントの口が足りず延長コードを使い、コードの余分な長さでさらに電線類が乱雑な状態になりやすいところです。ここで電気工事士の能力を発揮し、延長コードをちょうどいい長さに改造し、「整線」というケーブルをきれいに整える技術でテレビ回りの乱雑さは見違えるほどきれいになるでしょう。

 電気だけに限らず、弱電まわりの知識や技術も身に付けられる和田電気工事。いっしょに仕事してみませんか?