電気工事士のお仕事2 コンセント編

 前回の記事では、和田電気工事でよく見られる新築工事で電気工事をするときの主な作業について紹介しました。今回は、その中でもコンセント工事にスポットをあて、できるだけ専門用語を使わずわかりやすいよう、ある意味誤解を恐れずに、ちょっとだけ詳しく説明します。


コンセントの種類と設置

 コンセントには多くの種類がありますが、最も馴染み深いのは「埋込ダブルコンセント」です。一般住宅には必ずと言っていいほど設置されています。このコンセントは、名前の通り壁に半分埋め込まれており、2つの差し込み口があります。裏側には電線が接続されており、壁や天井を通って部屋の分電盤まで繋がっています。

 工場の場合も、分電盤からコンセントまで電線で繋ぐ点は同じですが、配線方法や使用されるコンセントの形状が異なります。工場では「埋込接地ダブルコンセント」が主に使われます。


配線方法

 住宅の配線方法は、天井裏や壁の中を通す隠ぺい配線が一般的ですが、工場では配管やケーブルラックを使った露出配線が一般的です。配管の曲げ方や壁への固定方法、ケーブルラックの設置方法などには細かなルールがあり、これらはすべて安全に電気を使用するためのものです。これらのルールを熟知しているのが、専門家である電気工事士です。


コンセントの仕様

 一般的なコンセントは100V15Aの仕様です。200Vになるとコンセントの形が変わり、通常のプラグは差し込めなくなります。20A用のコンセントも形が異なり、専用のプラグしか差し込めません。広い部屋用のエアコンのコンセントが異なる形状をしているのはこのためです。

 もし電圧(V)や容量(A)が異なるのに、同じ形のコンセントを使用すると、200Vのエアコン用コンセントに100Vのテレビを接続できてしまいます。そうなると、テレビが壊れるだけでなく、最悪の場合火災が発生する可能性があります。

 例えば、家電量販店でテレビを購入し、部屋の模様替えをしてコンセントが届かない場合、延長コードがないのでエアコンのコンセントに差し込むと、テレビが壊れ、場合によっては火事になることも考えられます。


電気工事士の重要性

 このような事故を防ぐために、国家資格を持った電気工事士のみが電気工事を行うことが求められています。電気工事士は国家資格を取得し、手に職をつけることができ、AIに仕事を奪われる心配もありません。電気工事士としてのキャリアを考えてみませんか?


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