電気工事士のお仕事6 高圧受電・変電設備編

 前回の記事では、和田電気工事でよく見られる新築工事で電気工事をするときの主な作業について幹線を紹介しました。今回は、高圧受電・変電設備にスポットをあて、できるだけ専門用語を使わずわかりやすいよう、ある意味誤解を恐れずに、ちょっとだけ詳しく説明します。


高圧受電とは

 いつもは身近な住宅から説明を始めますが、前回記事でも触れたように、一般住宅では大電力が不要なため高圧受電は必要ありません。工場のように大量の電力を使用する場所で、高圧受電が採用されます。

 道路に建っている電柱から電気を引き込むことを受電といい、受電したときの電圧に違いがあり、100V~200Vの一般的な電圧は低圧受電と呼ばれます。それに対して高圧受電の電圧は6,600Vです。また、さらに高い電圧の特別高圧受電になると電柱ではなく鉄塔から受電する事になりますが、よく使われる電圧は20,000Vにもなります。

 余談ですが、ピカチュウは“10まんボルト“という技を出しますが特別高圧の5倍の電圧で電気を流してくるのです。恐ろしい子…


高圧の工事

 高圧の6,600Vの工事は危険度が高く、そのぶん使用を認められた材料も限られてきます。低圧電気の工事に比べるとバリエーションが少なく、ほぼパッケージ化された工事なので、受電に限って言えば、一度覚えてしまうと実は簡単です。


電気のルート

 ざっくりとした電気のルートを説明すると電柱→PAS→高圧ケーブル→変電設備→幹線→各分電盤という経路です。電柱から飛んでくるケーブルがPASと呼ばれるon/offスイッチを経由して、高圧ケーブルと呼ばれる絶縁体が厚い電線を通って変電設備に入ります。そこで6,600Vが100V~200Vに変換され、低圧になった電気が幹線を通って各分電盤に配られます。


キュービクルの設置

 この一連の工事の中で注目されるのが変電設備、いわゆるキュービクルの設置です。重たいものを扱うため危険な作業となりますが、クレーンを使うので作業風景が派手で”映える”のがポイントです。この作業を何事もなくスッとこなすのが電気工事士としてかっこいいですね。


キュービクルのサイズ

 キュービクルは箱の形で運ばれてくるため、分電盤の設置手順とほぼ同じとも言えます。大きく違うのはそのサイズで、小さめもので幅2m、奥行2m、高さ2m程度の立方体のような形です。ちなみに立方体をキューブともいいますがこれがキュービクルの語源です。

 1辺が2m程度のキュービクルの重さは約2tです。このサイズの鉄の箱としては見た目よりも軽いですが、人力では動かせないためクレーンで吊りながら位置と高さを微調整していきます。2t物を1ミリのズレもなく指定された場所にまっすぐに置くのは難しいですが、コツさえ知っていれば案外すんなりと終わります。


経験者も未経験者も

 コツは企業秘密です!今なら和田電気工事の仲間として一緒に働いていただければ、1から10まですべて教えま――― 冗談です(笑)

 それほど大したコツはないですが、電気工事の知識を1から10まで全て教えるのは本気なので、電気工事を知らなかった方も、今現在電気工事士として仕事をしている方も、ぜひ和田電気工事で仕事してみませんか?