電気工事士として現場経験を積んできても、職務経歴書に何を書けばよいか迷うことがあります。「電気工事全般に従事」とまとめるだけでは、経験した現場や、自分で担当できる作業が十分に伝わりません。
電気工事士の職務経歴書は、現場の種類、施工内容、自分の担当範囲を具体的に書くのが基本です。資格や勤続年数に加えて、どのように仕事を進めてきたかを整理すると、応募先が担当業務との接点を確認しやすくなります。まずは経験を項目ごとに整理し、例文を参考にしながら自分の言葉で下書きを作っていきましょう。
電気工事士の職務経歴書は施工内容と担当範囲を具体的に書く
職務経歴書では、「どのような現場で、何を、どこまで担当したか」を伝えます。同じ電気工事の経験者でも、新築住宅の配線を中心に担当してきた人と、工場の設備更新を担当してきた人では、経験している作業が異なるためです。
例えば、「照明工事を担当」と書くよりも、「事務所の照明更新工事で、既設器具の撤去、新設器具の取付、配線接続を担当」と書く方が、作業内容を具体的に伝えられます。ただし、これは表現の例です。実際には、自分が担当した作業だけを記載してください。
もう一つ大切なのが、指示を受けて行った作業と、自分で判断して進めた業務の区別です。施工を担当したのか、材料の準備や作業の段取りまで行ったのか、他職種との調整にも関わったのかを分けると、任されていた範囲が明確になります。
施工管理や職長の経験がなくても、担当した工事と作業を具体的に書く材料はあります。役職を大きく見せるのではなく、日々の施工で担っていた役割を正確に伝えましょう。
書き始める前に現場・作業・資格を整理する
最初から文章にしようとせず、経験した仕事を箇条書きで並べるところから始めてみてください。直近の勤務先や、繰り返し担当した工事から振り返ると整理しやすくなります。
- 在籍期間:いつからいつまで、どの会社で働いたか
- 現場の種類:住宅、工場、事務所、店舗など
- 工事の種類:新築、改修、設備の増設・更新など
- 担当作業:配管、配線、器具取付、結線、確認作業など
- 役割:指示を受けて施工、材料準備、段取り、後輩への作業説明など
- 保有資格:正式名称、取得年月、業務での使用経験
- 仕事上の工夫:確認漏れや手戻りを防ぐために行ったことなど
現場の件数や規模が正確に分からない場合は、無理に数字を入れる必要はありません。手元の記録で確認できる範囲で書き、曖昧な件数を実績として加えないようにします。
工夫については、「安全を意識した」「効率よく作業した」だけでなく、実際の行動を思い出してみましょう。作業前に材料を照合した、変更点を作業者間で共有した、判断に迷う箇所を着手前に確認したなど、自分が行っていたことを挙げます。
材料がそろったら、応募先の仕事内容と重なる経験を確認してください。すべての職歴を同じ分量で書くよりも、募集業務に関係する経験を詳しく説明した方が、読み手は接点をつかみやすくなります。
経験を整理したら、応募先が扱う工事との接点も確認してみてください。当社の事業紹介では、新築・増設・更新工事の内容を掲載しています。
職務要約・職務経歴・自己PRを役割に分けて書く
整理した材料は、職務要約、職務経歴、自己PRに分けて使います。各項目で同じ説明を繰り返すのではなく、経歴の概要、具体的な業務、仕事で発揮した強みという役割を持たせると、読みやすくなります。
職務要約には経歴の概要と主な施工経験を書く
職務要約は、これまでの経験を短く把握してもらうための部分です。電気工事の経験年数、主に担当した建物や工事、自分の担当範囲をまとめます。
例えば、「電気工事会社で○年間、主に事務所・店舗の新築工事に従事。配管・配線・照明器具の取付を担当してきました」という形です。細かな現場ごとの説明は後に回し、まずは経験の全体像を伝えましょう。
職務経歴には勤務先ごとの仕事内容と担当範囲を書く
職務経歴では、在籍期間や所属とともに、具体的な担当業務を記載します。転職歴がある場合は勤務先ごとに整理し、一つの会社で役割が変わった場合は、その変化が分かるように書いてください。
同じような現場を多数経験しているなら、一件ずつ長く並べるより、工事の種類でまとめる方法もあります。そのうえで、応募先の業務に近い経験について、施工内容と担当範囲を詳しく示します。
チームで工事を行った場合は、工事全体の内容と自分の担当を分けます。「工場の設備更新工事に参加し、職長の指示のもとで配線作業を担当」など、実際の立場が分かる表現にしましょう。
自己PRには強みを裏付ける行動を書く
自己PRでは、性格の説明だけでなく、仕事で取っていた行動を示します。「責任感があります」と書く場合も、どのような確認や報告を続けてきたのかを添えると、内容が具体的になります。
例えば、材料の準備が得意なら、必要な材料をどう確認し、不足があった際にどう対応していたかを書きます。周囲との連携を強みにするなら、作業の変更点や進捗を誰に、どのタイミングで共有していたかを振り返ってみてください。
成果を数字で示せる場合は、確認できる数値を使います。記録がないのに「作業効率を30%改善」などと加える必要はありません。行動と、その行動を取った理由だけでも、仕事への取り組み方は伝えられます。
項目別の書き方は、電気工事士の職務経歴書に関する専門求人媒体の解説も参考になります。
施工経験を伝える職務経歴書の例文
以下は、書き方を示すための架空の記入例です。当社社員の経歴や実績ではありません。年数、工事内容、役割、行動は、自分の事実に置き換えて使用してください。
配線・照明工事の経験例
事務所や店舗の配線・照明工事を担当してきた人を想定した例です。施工経験と、作業前の準備で行っていたことを分けて記載しています。
【職務要約の例】
電気工事会社で5年間、主に事務所・店舗の新築工事に従事してきました。職長の指示のもと、配管・配線、コンセントや照明器具の取付を担当しています。施工に加え、担当箇所で使用する材料の確認と準備も行ってきました。
【担当業務の例】
- 事務所・店舗の新築現場における配管・配線作業
- コンセント、スイッチ、照明器具の取付
- 作業指示に基づく材料の数量確認と準備
- 担当箇所の進捗や、図面と現場の相違点の報告
【自己PRの例】
作業に入る前の準備と、不明点の早めの確認を大切にしています。担当箇所の図面と作業指示を確認し、必要な材料を準備してから着手してきました。現場の状況と図面が異なる場合は、自分だけで判断せず職長に確認し、変更内容を共有したうえで施工を進めています。
この例では、図面の確認や材料準備まで担当した設定にしています。実際にその業務を行っていない場合は省略し、担当していた作業に置き換えてください。
設備更新工事の経験例
工場の照明更新や、機械設置に伴う配線作業を担当してきた人を想定した例です。工事全体の管理者と、施工を担当した本人の役割を区別しています。
【職務要約の例】
電気工事会社で8年間、工場の照明更新工事や機械設置に伴う電源工事に従事してきました。現場責任者が確認した作業条件のもと、既設照明器具の撤去・新設、ケーブル敷設などを担当しています。作業箇所の状況確認と、進捗の報告にも取り組んできました。
【担当業務の例】
- 工場内の照明器具の撤去・取付
- 機械設置に伴うケーブル敷設
- 担当作業に必要な材料・工具の準備
- 作業中に見つかった相違点や、作業完了状況の報告
【自己PRの例】
既存設備の更新では、着手前の確認と作業中の情報共有を意識しています。現場責任者から担当範囲と作業条件の説明を受け、不明な点は作業前に確認してきました。予定と異なる状況が見つかった際も、そのまま進めずに報告し、指示を受けて対応しています。
停電計画の立案、顧客との工程調整、工事全体の管理まで担当していた人は、その経験を別に記載できます。一方、施工のみを担当していた場合は、管理業務まで行ったように広げないことが大切です。
提出前に担当範囲・資格・実績の表現を確認する
下書きができたら、読み手が自分の経験を実際以上に受け取らないか確認しましょう。特に、チーム全体の実績、管理業務への関わり方、資格の表記は見直しておきたい項目です。
- 工事全体の説明と、自分が担当した作業が区別されているか
- 補助した業務を、一人で完結させたように書いていないか
- 職長や施工管理の役割を、実際の担当と違う形で記載していないか
- 資格の正式名称、取得年月、現在の取得状況が正しいか
- 件数や改善率などの数字に、確認できる根拠があるか
- 在籍期間や担当業務が、履歴書の記載と食い違っていないか
資格を保有していることと、その資格に関係する業務を経験していることも分けて書きます。資格欄には保有資格を記載し、職務経歴欄には実際に行った仕事を示してください。取得に向けて勉強中の資格を、保有資格として扱わないようにしましょう。
また、施工経験を具体的に伝えるために、顧客名や現場の詳細をすべて開示する必要はありません。守秘義務のある案件では、「製造業の工場」「事務所の改修工事」など、差し支えない範囲で建物用途や工事内容を説明します。社外への持ち出しが認められていない図面や現場写真は添付しないでください。
応募先から書式や記載項目の指定がある場合は、その案内に合わせて整えます。最後に声に出して読んでみて、面談で「これはどのような仕事ですか」と聞かれたときに、自分の経験として説明できる内容になっているか確かめましょう。
当社の仕事内容とこれまでの施工経験を照らし合わせる
当社は栃木県佐野市を拠点に、工場・事務所・店舗などの電気工事を手掛けています。新築時の配線・照明工事のほか、機械設置に伴う電気工事や、設備の増設・更新などに対応しています。
これまでの経験を整理する際は、当社が扱う工事と共通する部分を確認してみてください。配線や器具取付を中心に担当してきたのか、既存設備の更新に関わってきたのか、材料準備や作業の段取りも行っていたのかによって、お聞かせいただきたい仕事内容も具体的になります。
経験した工事がすべて同じである必要があるか、自分の担当範囲が募集業務に合うかなど、気になる点は面談でご相談ください。未経験の作業を経験済みと表現せず、これまで行ってきたことと、今後覚えたいことを分けてお伝えいただければと思います。
カジュアル面談では、仕事内容や働き方について確認してから、応募するかどうかを考えていただけます。職務経歴書のために整理した内容は、ご自身の経験を説明する準備にも役立ちます。
これまでの施工経験を当社で活かしたい方は、施工スタッフの募集要項をご覧ください。担当してきた工事や今後希望する働き方は、カジュアル面談でもお聞かせください。

